ハイブリッド種ワインの味
オーベルマンが所長として残した数々の功績によって、一八九八年、ワイン研究所は公式に「オーベルラン・ワイン研究所」と改称されることになるが、オーベルランの技術革新の成果が真に評価を受けるのは、実は今世紀に入って、とりわけ第一次大戦後でありました。
一九二一年、何度目かの猛威をふるい出したコシリスやフィロクセラなどの菌によって、伝統的なブドウ種が大打撃を蒙ったのに、オーベルランのハイブリッド種(ルージュ五九五)のみが大豊作を記録したからです。
しかし、運命の皮肉というべきだろうか、ブドウ栽培の安定を理想とし、その理想をかなり実現させたオーベルランと弟子たちの苦心のハイブリッド種は、それが品質を多少なりとも犠牲にしたため、かつて伝統種に一部取って代わったように、やがて高品質の伝統種待望論の前に姿を消していくことになります。
アルザス・ワインの二十世紀前葉とは、まさに生産量と品質との歴史的な矛盾の解消に向けられた時代なのです。
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